2016/02/19

rttyインターフェース製作

rttyを始めることにしたのですが、免許申請はしていても、無線機とPCをつなぐインターフェースがありません。

売り物だと、有名なところでUSBIF4CWとかがありますし(お値段はちょっと躊躇しますが)、ヤフオクでもその手のインターフェース・ケーブルが出品されていたりしますが(5K~10K程度)、折角なので自分で作ってみようと思います。

さて、一般にrttyインターフェースというと、
  1. PCのサウンドカードのライン入出力と無線機のAF入出力を結線
  2. シリアルポート(今時のPCにはもちろんついていなのでUSBシリアル変換することになります)の先にFSK/PTT
  3. もう一つのシリアルポートの先にリグコントロール(ICOMだとCI-V)
というのが定番の構成になります。回路図も結構あちこちに落ちています。

2と3(FSK/PTTとリグ制御)はオープンコレクタで繋げばいいだけのようなので簡単そうですが、問題は音声の入出力で、もちろん普通に考えるとサウンドカードの青赤緑のジャックに繋ぐ、というのが鉄板ですがいかにも大時代的で、はっきりいって昭和の香りが漂います。21世紀のハムならやっぱりUSB CODECでなんとかしたいものです(21世紀のハムがIC-706を使うのはどうか、という話はさておくとして)。

ということで、以下設計要件の備忘録(こうやって残しておかないと、半年後にどう作ったか忘れてしまったハードウェアが残ります…)。
  • FSK/PTT、リグ制御にはそれぞれUSBシリアル変換した仮想COMポートを割り当てる。ここは秋月のFT2232D USB-シリアル2ch変換モジュールを使うことにします。
  • AF入出力はPCM2906というUSB CODECを使ってみる。
IC-706の後ろには、ACCソケット、RTTYジャック、REMOTEジャック、EXT SPジャックというのが出ていますが、ACCソケットからFSK/PTT(SEND)/AF/MODの4信号が取れます。RTTYジャックとEXT SPジャックは使わずにおいておきます。

ICOMさんのマニュアルから引用
FSKとSEND(PTT)は文字通りでFSK信号とPTT信号になります。AFは音声出力、MODが音声入力です。ちなみにVSEND/HSENDになっている機種もありますが、これはUVとHF用ということのようです。

このあたりのデータは、マニュアルにも乗っていますが、各機種のものがここにあります。前述のUSBIF4CWの方の手になるもののようで、大変なデータベースですが、同時にインターフェースの統一されていない悲哀を感じます。

さて、まずは、このACCソケットに繋ぐプラグが必要になりますが、DIN13ピンというかなり珍しいもので普通の通販では売っていないので、しょうがないのでヤフオクでゲットしました。

次に入手したのがPCM2906というUSBコーデックです。兄弟チップにPCM2904というのがあって、違いはS/PDIFの有無だけです。なんとなくPCM2906にしました。
こいつも秋月や千石では売ってないようなので、rsコンポーネンツで購入しました。実はマルツでも売っていたのですが、19個単位だよ、とか言われてしまいました。それ在庫数じゃないのかしら。流石にそれだけ使う余地はないし、額が高すぎます。

ちなみに、USB DACの製作記事でよく出てくるのがPCM2704ですが、これはアナログ入力がないので、今回の目的ではだめです。PCM2704はUSB DAC、PCM2906はUSB CODEC、ということになります。

2016/02/15

rttyの申請(TSS通過)

年末にIC-706を購入して、フォーンでもまだ数局しかお話出来てないというのに、やにわにrttyを始めることにしました。

さて、rttyが何であるか、というのは多くの素晴らしい解説ページがありますので、そちらにお任せするとして、とりあえず局免の更新申請(届け出)をしなければなりません。

rttyの方式にはAFSKとFSKがあって(FSK:Frequency Shift Keying, AFSKのAはAudioのA)、前者は音声信号を無線機に入れる方式で、後者はディジタル信号を直接無線機に送り込むような方式です。IC-706はFSK入力もあるのでどちらもできます。

局免の観点で言うと、AFSKは「マイクの代わり」扱いなのですが、FSKは「附加装置」扱いになって、技適が外れてしまいます。AFSKや20W以下の場合は、総通に届け捨てすればいいようですが、taipapaのIC-706は50Wのリグで、同時に技適から外れる関係でTSSに保証認定をして貰わないといけません。

ここまで理解するのに一週間ぐらい、掛かりました。

以下、申請の流れです。
  • 2/1 TSSに申請を送信
    電子申請Liteで申請書を作り、それをダウンロードしたものをメールに添付して送る、という、やや前時代的というか「パスワードは別便で」感のあるオペレーションをします。
    同時にネットバンキングで入金しますが、これについての受領応答とかは一切ありません。口座を間違っていたら電話するまで判らないという昭和の香りの漂う実装。
  • 2/10 予想通り何も連絡がないので、慌てず騒がず、TSSに電凸。
    電凸といっても、「電子ですか、紙ですか。電子申請ですか。たくさん来てて大変なんですよ」「そっすか。ま、趣味の話なので、入金漏れとかがなければ大丈夫で~す」という大人の対応をしただけです。
  • 2/10 夜。TSSから「不備があります」というリプライを貰いました。
    指摘の内容は、「周波数偏移幅が通常使用されている値と相違しているけど、よいか。その値でも占有周波数帯幅の許容値は下回っているが確認させてくれ」とのことで、要するに、±170Hzと書いて出してしまったのですけど、「±85Hzと書くんじゃないのフツー」ということだと理解して、速攻で訂正したものを送付しました。
  • 2/12 夜。「総通に言っとくから、この写し添付して申請してね」というメールを頂きました。速攻で添付して総通に申請を発射しました。どんでん返しがなければ(と祈りつつ)これで審査完了すればOKになるはずです。
TSSって、遅いやら何やら、大変そうな噂を聞くので躊躇していましたが、とりあえず、今回は程々に対応して貰えました。ま、もっと複雑なオペレーションをしようとすると激しくハマるのかもしれませんが。