2012/04/19

DDS-60キット組み立て・完成

昨日今日で、以前に買っておいたDDS-60キットを組み立てました。
実は最近「発振器祭り」状態で、XR-2206を作成する前から入手していたのですが、SSOPのハンダ付けにおじけづいてしばらく寝かせていたのでした。

結果的にはまあ何とか完成したのですが、このキットは結構ハマりました。キットが悪いわけではなくてあくまでこちらの不注意なのですが(アマチュア無線関係ではありがちなような気がしますけど)。

以下、顛末。

一番大変なのが下の写真のAD9851で、0.65mmピッチです。このピッチは前にもやったことがあるはずなのですが、全然思い出せずで随分と汚いハンダ付けになってしまいました…。本来これはハマリポイントではないのですが、この段階で「熱加えすぎたかな」と不安になってしまったのでした。もう一つの不安、というかあからさまな問題点(キットではなくて製作者の)は、U5です。少しランドに半田が乗っているのが見えるかと思いますが、最初、U1(AD8008オペアンプ)を間違ってU5につけてしまっていました。

ピンは左からLOAD、CLOCK、DATA、+5V、
本来のU1は、基板のウラ側につけます。「何でここが空いてるんだろう。ICってもう一個あったっけ…」と思ったときは後の祭りで、少しくらっとしました。これ、確かにBuilders Notesには書かれているのですが、見事に見落としていました。しょうがないので泣きそうになりながら取り外して裏面につけ直します。間違えたのがSSOP28ピンのAD9851ではないことが不幸中の幸いですが(そもそも間違えようがありませんが)、それにしても同じピッチのランドが二つあって片一方は使わないとは。指差し確認が必要です。

ICが終わると今度は抵抗とキャパシタですが、全部チップ部品です。特に問題はありませんが、部品をなくさないよう気をつけながら付けます。床の上に落としたりすると、ほぼその時点で負けのような(ひとつだけ落としましたが、幸い発見できました)。

なお、抵抗にも未実装箇所があって、R16はありません。空きです。「設計変更でU1と一緒になくなっちゃった♡」ということのようです。また何か間違えたか部品なくしたかと思ってしまいいました。

右の大きいのが30MHzのオシレータ
そんなこんなでやっと火を入れてみましたが、最初はまったく動きませんでした。最近作ったキットの中では珍しいぐらい、うんともすんともいいません。「これは壊したな」というのが最初の感想ですが、結局半田付け不良二箇所を直すと何とか動き始めました。このあたりのトラブルシュートはきちんと書かれていて、読んでいるうちに回路図との対応がついて来ます。そこからは楽でした。

最終的に出てきた波形がこれです。10MHz。XR-2206よりはずいぶんと綺麗な波形です。

これがgigastでみた特性です。


なお、当然ですが、AD9851は外から周波数情報を与えないと発振を始めません。制御にはDATA、CLOCK、LOADの3線(AD9851側から見るとD7、W_CLK、FQ_UDピン)が必要で、今回は昔作ったPIC+FT232基板を使って繋ぎました。
最初にAD9851をシリアルモードに遷移させなければなりませんが、これはD7~D0を11b(D0=D1=1)に設定した上でCLOCK->LOADを叩きます。要はパラレルモードで11bを送ればよいということですが、このDDS-60基板はD0/D1/D7がプルアップ、D2~D6はGNDに落としてあるので、DATA=0(D7=0)の状態でCLOCK->LOADを叩けばシリアルモードになります。
シリアルモードでのデータ送信は、CLOCK線に同期させてDATA線にビットを載せて都合40bit送信します(周波数32bit、制御データ8bit)。最後にロード信号を叩くとロード完了です。

bit0~31周波数データ。2^32*(設定周波数/180MHz)を指定。リトルエンディアン(bit0=LSB)
bit 326倍クロックモードなら1。DDS-60は6倍モードを使って30MHz*6=内部180MHzで動作できる。
bit 33常に0 (Don't care)
bit 341でPowerDown
bit 35~39位相(0~360度)

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